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東京葛飾区柴又にある大きな駄菓子屋。なめんなよの免許証を衝動買い。<下町探訪><柴又ハイカラ横丁>

とりのこたけみ

東京都葛飾区柴又に観光へ行きました。

京都葛飾区にある柴又。映画「男はつらいよ」の舞台となった街。私自身その映画を見たことはないがタイトルぐらいは流石に知っている。後々柴又にある「寅さんミュージアム」についての記事をあげたい。

東京葛飾区柴又にある大きな駄菓子屋

雨降っちゃった。

ようこそ柴又へ

ほどまで気にかけることもなかった空模様。京成金町線を電車が柴又駅までなぞるにつれて空の色がくすんでいった。

東京都内では珍しいのではないか。柴又駅に足を踏み入れるとホームと改札の間に踏切がある。これは構内踏切というらしい。誰しもが傘を必要だと感じている天気であったが、構内踏切を渡る人は短い間傘をささずに小走りで屋根の下まで移動をする。

柴又駅の背は低く、駅前はロータリーというよりかは遥かに小さな広場だ。駅を出て見えるのは寅さんの像だ。正式名称は「フーテンの寅像と見送るさくら像」である。二人の像が立っていたが、記憶の中で一人にしてしまっていた。小走りで移動したせいで像をよく見ていなかった。

おおきな駄菓子屋

柴又ハイカラ横丁

前情報なしで柴又に降りて、帝釈天参道商店街を散策しようとしていた。しかしそこにたどり着く直前に一目見ただけで駄菓子屋だとわかる異彩を放った建物を見つけた。柴又ハイカラ横丁だ。

「入るしかない」

孤独のグルメの井の頭五郎のように直感で店に入る。想像していた大きさを遥かに超える広さの店内は膨大な種類の駄菓子でカチカしていた。

たくさんの音が聞こえる店内。音の所在地は特定しにくい。広く小回りの効いた道を歩く。一つ一つの商品を見るというよりかは駄菓子屋の中の全体像をまず観察する。どこの場所に立っていても良い画がとれる。店の奥にネオンが光るゲーム機を見つけた。あれは先ほどからずっと聞こえてる音の正体の一つのようだ。

ピンボールのやり方を知らない

ピンボール 3玉100円

100円で現在も遊べるピンボール。間近で見てみると細部まで作り込まれているクオリティに興奮する。躊躇なく財布を鞄から取り出して最初に遊んだ私の友達。台の右下から突き出した金属の棒を弓のように引き抜くと玉が発射する。力加減を間違えると玉が逆戻りしてスタート地点に戻ってしまう。発射した玉は仕掛けにあたり勢い良く跳ね返る。跳ね返った玉はまた別の仕掛けに当たり速度を変化させる。その都度、カンカンと金属音が響く。玉がピンボール内の頑固に動かない仕掛けによって振り回され、疲れたように下に転がってくる。その転がってきた玉をパチンコを見ているかの如く凝視する友達。最初の発射時の弓を引く動作以外はただ玉を眺めていた。

ピンボールの台の間の薄暗い隙間に存在していたフリッパーを動かすボタン。その存在に気づかずにゲームをしていた友達は純度100%の天然。

昔のクレヨンしんちゃん

リオブラザーズ、10円で遊べるクレーンゲーム、日本一周を目指すゲームなど店内のゲーム機を集めれば小さなショッピングモールのゲームセンター程の規模になりそうだ。

あそんでクレヨン

角っこに置いてあったのは「あそんでクレヨン」と書かれたクレヨンしんちゃんのゲーム機。今まで見たことがない。私自身しんちゃんは大好きなので90年代を匂わすキャラクターのタッチに感動した。シロの作画は何度見ても手抜きすぎてて面白い。初期のクレしんは今地上波で放送することできないような場面は多かった。2000年以降の作画を見て育った私は昔のクレしんを見るのが最初は好きではなかった。ただ何話か見始めると初期の頃の特有の現実みを帯びた部分。幼いしんちゃんが大人の世界に足を踏み入れるようなダークなシーンに幼い頃の私は魅力を覚えた。いや今でも魅力を感じる。

プロレスと娯楽

ポーツの解説者の声が聞こえてくる。頭上に取り付けられたドラム缶テレビ。画面には白黒でプロレスの試合が流れている。派手なコスチュームではなくシンプルな一色のパンツを履いている。これが全日本という佇まいで。カメラの切り替わりはなく観客席の上の方から撮った映像が選手と背後で首を伸ばした観客たちを追従している。今ではテレビでプロレスは流れない。昔の人は家族みんなで楽しむ娯楽という形でプロレス観戦が浸透していたのかな。テレビとプロレスの文化のはじまりの時期は似ている。昭和、街中にある仕切りの奥の遠い存在であるテレビの映像を見るために人集りができていた。彼らはどう思うだろうか。外気を感じながら見られていた昭和のプロレスを私は今駄菓子屋の装飾物として見ている。

なめんなよ

こでどのように仕入れたのか。私が小学生の頃に見たようなステッカーやストラップが吊るされている。またいつ日本に出回ったかわからない人気キャラクターのかわいいグッズも見つけた。その中で私が目をつけたのが1980年代初期に名古屋から全国へ一世を風靡したなめんなよの免許証だ。なめんなよもまた2000年後期にコンビニによくカードが売っていた。「なめんなよ」とネットサーフィンしてみると今現在も人気はあり、廃れないキャラクターのようだ。免許証も丁寧にリアルに近づけている。子供騙しではない大人が自分達が作りたいように作っているように。幅広い世代で愛されている所以がわかった。

ちっちゃいころの自分を思い出して

達と3人でビールに似せたこどもののみもので乾杯。マスカット味。ビンを左右に振ると泡が溢れ出して持ち手の甲に白く泡が付いて肌に浸透していった。ベトベトになった。毎年祖父の家で親戚を呼んで正月とお彼岸を迎えた。そのときに大人が飲んでいたグラスに注がれたビールを羨ましいとは思わなかった。ただ決まって祖父は私の小さなグラスによいこのビールを注いでくれた。おいしかった。こどもののみものはよいこのビールとは味が違うが、おいしいとしか言えない。ビンを友達と振っていると中学生の頃の理科の実験を思い出す。各自持った試験管を友達と横並びに振り溶液を混ぜ合わせる。駒のように試験管同士をぶつけ合った。私の持っていた試験管の真ん中に綺麗に亀裂が入り、下半分が真っ直ぐに机に落ちた。怪我をしていないか心配そうに確認してきた先生は私たちの悪さに気づいていなかった。

また行きたい。

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toppy

建築大学生。小学生の頃に聴いた「90年代ヒットソングメドレー」がきっかけで邦楽の虜に。今ではインディーズの音楽も掘り下げて聴いています。くだらないことからガチの音楽プレイリストまでまとめているので是非見ていって下さい。

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