深夜の浅草寺の周辺は真夏なのにも関わらず、ひんやりとしていた。車も人も滅多に通らない。赤色の暖かい街の街灯はただコンクリートを照らしていた。 深夜の浅草をただ散歩するだけで昭和の映画の主人公になった自分がいた。 ドライブ 2022年8月17日。「今日、深夜ドライブしない?」中学からの友達のLINEの一言で私は家を抜け出した。 前日は高校時代の友達とエアビで借りた宿でお酒を飲んでいた。目の前にあるお酒を飲み干しても、次から次へと買い増しされるアルコールと飲みコール。朝4時半、日が昇る頃に私は眠りに落ちた。午 ...